疲れがたまった週の終わりや、季節の変わり目で体がついてこない日。
ご飯をよそっても、なかなか箸が伸びないことがあります。

こんにちは、坂巻遥です。
地場スーパーの惣菜売場で12年働いたあと、今は「ご飯のお供と作り置き」をテーマにブログを書いています。
家では小学生の子ども2人の母で、家族の中でいちばんの辛いもの好きです。

私自身、食欲が落ちた日に助けられてきたのが、ピリッと辛いおかずでした。
ひと口目が入ると、不思議とふた口目が続くんですよね。

この記事では、食欲が落ちた日にピリ辛おかずをどう取り入れると食べやすいのかを、公的機関の情報を確かめながらまとめました。
後半では、ご飯のお供「ラー油きくらげ」を使った献立の組み立て方と、辛いものを食べるときの注意点も紹介します。

食欲が落ちた日に、ピリ辛おかずが助けになる理由

辛味の刺激が「ひと口目」を後押しする

唐辛子の辛さのもとは、カプサイシンという成分です。
農林水産省のカプサイシンに関する情報には、「トウガラシを使った料理や調味料による適度な辛さは食欲を増進させ、おいしく食事をする助けになります」と書かれています。

同じページでは、少量のカプサイシンが口や食道、胃を適度に刺激して唾液が出る、とも説明されています。
ぼんやりした味の料理だと口が動かない日でも、辛味が入ると味にメリハリが出て、食べ始めやすくなります。

ただし、ここで大事なのは「適度な」という部分です。
同じページには、とりすぎると粘膜が傷つき、のどや胃が荒れることがあるとも書かれています。
辛ければ辛いほどいい、という話ではありません。

私の感覚では、ひと口食べて「ちょっとピリッとするね」と言えるくらいがちょうどいい辛さです。
汗が噴き出すほどの激辛は、元気な日に楽しむものと分けて考えています。

辛さだけでなく、香りと酸味を重ねる

食欲が落ちた日の工夫として、農林水産省は辛味以外の刺激も勧めています。
食欲がないときはというページでは、コショウやカレー粉のほか、ショウガや大葉、梅干しなどの薬味も刺激になると紹介されています。

あわせて、季節を感じる食材や盛りつけなど、見た目にこだわることも挙げられています。
惣菜売場にいたころも、同じおかずでも彩りよく並べた日は手に取ってもらいやすかったのを覚えています。

ピリ辛おかずを作るときは、辛味に加えて次のような要素を一つ足すと、味が単調になりにくくなります。

  • ショウガやニンニク、長ネギなどの香味野菜
  • 酢やトマト、ポン酢などの酸味
  • ごま油やラー油の香り
  • 大葉やみょうがなどの薬味

辛さを強くするより、香りと酸味を重ねるほうが、食欲が落ちた日には食べやすいと私は感じています。

たとえば、たたいたきゅうりに食べるラー油を少しと酢を数滴たらすだけでも、口の中がさっぱりして次の箸が出やすくなります。
豚しゃぶにピリ辛だれをかけるなら、刻んだ長ネギとショウガを多めに混ぜておくのがわが家のやり方です。
辛味は控えめでも、香りが立つと「食べてみようかな」という気持ちになります。

ピリ辛おかずで箸を進める5つの工夫

辛さは「足りないかな」くらいで止める

食欲が落ちている日は、体調によって辛さの感じ方も変わります。
いつもの量でも、口に入れたら思ったより辛かった、ということもあります。

わが家では、辛味は最初から入れすぎず、食卓で足せるようにしています。
ラー油や一味は小皿に取り分けておくと、それぞれが好きな量に調整できます。
子どもと同じ鍋から取り分けるときも、この方法だと揉めずに済みます。

もう一つ気をつけているのが、量の盛り方です。
食欲がない日に大皿でどんと出されると、それだけで気持ちが引いてしまいます。
小鉢に少しずつ盛って、食べきれたらおかわりする形にすると、食べる側の負担が軽くなります。

卵や豆腐で辛さの角を丸める

辛味をやわらげたいときに頼りになるのが、卵と豆腐です。
炒め物の最後に溶き卵を回し入れるだけで、口当たりがぐっとまろやかになります。

冷奴にピリ辛のご飯のお供をのせるのも、手軽で失敗の少ない食べ方です。
豆腐の淡い味が受け皿になるので、辛さだけが前に出てきません。

卵でとじるときは、火を止める直前に溶き卵を入れて、半熟で引き上げるのがコツです。
固まりきる前に器に移すと、余熱でちょうどよく火が通り、ふんわり仕上がります。
炒め物が少しパサついたときも、卵が全体をまとめてくれます。

温かいか冷たいかは、その日の体調で選ぶ

暑さが残る時期なら冷たいそうめん、肌寒い日なら温かいスープというように、温度もその日に合わせて選びます。
冷たいものはのど越しがよく、温かいものは香りが立ちやすいので、同じピリ辛でも印象が変わります。

わが家では、同じピリ辛だれを夏は冷やしてつけ麺に、秋からは温めてにゅう麺にして使い回しています。
たれを一つ決めておけば、温度を変えるだけで別の料理のように楽しめます。

ただ、国立がん研究センター東病院の栄養管理室が公開している資料では、胃腸が弱っているときに負担になりやすいものとして、刺激が強すぎる香辛料と並んで、熱すぎるもの・冷たすぎるものが挙げられています。
キンキンに冷やす、ぐらぐらに熱くするといった極端な温度は避けておくのが無難です。

麺だけで済ませず、たんぱく質を一品足す

食欲がない日は、つい麺類だけで食事を終わらせがちです。
九州労災病院の栄養管理部が発行している栄養だよりでも、麺類だけでは必要な栄養がとれず夏バテになりやすいとして、肉類や魚などのタンパク質や野菜も一緒にとるよう呼びかけています。

ピリ辛味と合わせやすいたんぱく質として、私がよく使うのは豚肉です。
文部科学省の食品成分データベースで確認すると、豚もも肉(脂身つき・生)のビタミンB1は100gあたり0.90mgです。
厚生労働省の健康情報サイトのビタミンのページでは、ビタミンB1はエネルギー代謝を助ける働きがあると説明されています。

そうめんの横に、豚肉と卵のピリ辛炒めを小皿で一つ。
それだけで、食卓の満足感がずいぶん変わります。

ご飯のお供を「味付けの素」として使う

食欲が落ちた日は、料理をする気力も落ちています。
そんな日こそ、瓶詰めや袋詰めのご飯のお供が役に立ちます。

ご飯のお供はもともと味がしっかりついているので、調味料をいくつも合わせなくても味が決まります。
わが家でよく使う組み合わせを表にまとめました。

ご飯のお供合わせる食材使い方の例
食べるラー油豆腐、きゅうり冷奴にのせる、たたききゅうりと和える
キムチ豚肉、卵豚キムチ炒めの最後に卵でとじる
ラー油きくらげ春雨、トマト、そうめんスープ、和え物、つけダレ
梅干し鶏ささみ、大葉刻んで和え物の酸味に使う

ご飯にのせるだけで終わらせず、「味付けの素」として料理に使うと、少ない手間で一品増やせます。

元気な日に作り置きを用意しておくのも一つの方法です。
ゆでた豚肉や、さっと湯通しした野菜を冷蔵庫に入れておけば、食欲が落ちた日はご飯のお供と和えるだけで済みます。
開封したご飯のお供は、商品に書かれている保存方法と期限を確認して、早めに使い切るようにしてください。

ラー油きくらげで組み立てる、食欲が落ちた日の献立

きくらげの食感がピリ辛と合う

表にも入れたラー油きくらげは、私が食欲の落ちた日にとくに重宝している組み合わせです。
きくらげのコリコリした食感は、やわらかいものばかりになりがちな食卓にリズムをつけてくれます。

食欲が落ちた日は、おかゆや麺、豆腐など、口当たりのやさしいものに偏りがちです。
それ自体は悪いことではありませんが、同じ食感が続くと途中で飽きてしまいます。
そこに歯ごたえのあるきくらげが少し入ると、噛むたびに味が出て、食べ進めるきっかけになります。

きくらげ自体は低カロリーな食材です。
文部科学省の食品成分データベースによると、きくらげ(ゆで)は100gあたり14kcalで、食物繊維総量は5.2g、ビタミンDは8.8μgです。
乾燥の状態の数値はもっと大きくなりますが、水で戻すと重さが増えるため、実際に食べる量に近いのはゆでの数値です。

和商コーポレーションのラー油きくらげ

ラー油きくらげは、いくつかの会社から商品が出ています。
その中で私が気になっているのが、宇都宮で餃子の製造販売をしている和商コーポレーションの商品です。

和商コーポレーションのラー油きくらげとアレンジレシピを紹介しているページによると、きくらげに唐辛子やラー油を和えた食品で、ラー油の香りが食欲をそそる味だと紹介されています。
同じページには、ご飯にのせる以外のアレンジが4品載っています。
食欲が落ちた日の体調に合わせて選べるよう、私なりに整理しました。

レシピ主な材料(2人分)こんな日に
ピリ辛中華スープラー油きくらげ15g、人参、チンゲンサイ、春雨肌寒くて温かいものがほしい日
豚肉の卵炒めラー油きくらげ20g、豚肉80g、卵1個、長ネギ主菜を一品しっかり食べたい日
夏野菜の和え物ラー油きくらげ10g、トマト1個、オクラ2本火を使う気力がない日
そうめんのつけダレラー油きくらげ30g、醤油・白だし各大さじ1、水200cc麺ならなんとか食べられる日

私がいいなと思ったのは、つけダレを鍋で温めるとにゅう麺用のタレにもなる、という一文です。
そうめんのつけダレとして紹介されていますが、肌寒くなってきた時期にもそのまま使えます。

献立にするなら、4品をそのまま並べるより、2品ずつ組み合わせると無理がありません。
わが家で試しやすい組み合わせは次のとおりです。

  • そうめんのつけダレに、豚肉の卵炒めを添える
  • ご飯を少なめによそい、ピリ辛中華スープと夏野菜の和え物を合わせる
  • 温めたつけダレでにゅう麺にして、卵炒めを小皿で添える

どの組み合わせも、麺やご飯だけで終わらせず、たんぱく質か野菜を一緒にとれるようにしています。
和え物は火を使わずに作れるので、もう一品ほしいけれど台所に長く立ちたくない日に向いています。

出張販売で見かけたら

先ほどのページによると、和商コーポレーションのラー油きくらげは冬季限定で、出張店舗で購入できるようです。
和商コーポレーションはスーパーの催事などに出店して販売しているので、売場で偶然出会う、という買い方になりそうです。

惣菜売場にいたころ、催事コーナーに並ぶ地方の商品は、その週を逃すと次にいつ並ぶか分からないものが多くありました。
冷蔵庫に常備しておくと、食欲が落ちた日の「もう一品」に困りません。
寒くなるこれからの時期、近所のスーパーの催事コーナーを少し気にかけてみるのもいいと思います。

ピリ辛おかずを食べるときに気をつけたいこと

ピリ辛おかずは食欲が落ちた日の味方ですが、体調によっては負担になることもあります。
食べる前に、次の点を確認しておくと安心です。

  • のどや胃の調子が悪い日は、辛いものを控える
  • 辛さは少量から試し、食べすぎない
  • 子どもには辛味を入れる前に取り分ける
  • 脂の多い肉や炒め物は、胃が重い日には量を控えめにする
  • 食欲がない状態が長く続くときは、専門家に相談する

農林水産省のカプサイシンのページでは、のどや胃の調子が悪いときは辛さを感じやすくなっている場合があるので、食べるのを控えるなど体調を考えて食べるよう書かれています。
同じ量でも、人によって感じる刺激は違います。
自分にとってちょうどいい辛さを知っておくと、無理なく取り入れられます。

また、農林水産省の「食欲がないときは」のページでは、食欲不振が長く続く場合は病気や薬の影響も考えられるため、専門家に相談するよう案内されています。
工夫で乗り切れるのは、あくまで一時的に食欲が落ちている日の話です。
食欲のない状態が長引く、体重が落ちてきたといったときは、早めに医療機関に相談してください。

まとめ

食欲が落ちた日は、適度な辛さと香り、酸味を上手に重ねると、ひと口目が入りやすくなります。
辛さは控えめにして食卓で足せるようにし、卵や豆腐でまろやかにするのがわが家の定番です。

麺だけで済ませず、豚肉や卵などのたんぱく質を一品添えることも忘れずにいたいところです。
料理をする気力がない日は、ご飯のお供を味付けの素として使えば、少ない手間で献立が整います。

ラー油きくらげのように食感と香りのあるご飯のお供は、そうめんにもスープにも使えて重宝します。
体調と相談しながら、ピリ辛おかずを食欲が落ちた日の助けにしてみてください。